特別な ひと〜トクベツナ ヒト〜

リクエスト:ゆめ 様 『カッコイイけどアーロンに甘いブラスカ様』

(&それをバカにするジェクト:笑)         7890 HIT

 

 

「アーロン!!右だっ!」

「判ってる!!」



ジェクトの声に、アーロンは間髪置かずに答える。

と、同時に剣の切っ先は敵を捕らえていた。



アーロンが剣を引くのと同時に、魔物は幻光虫に包まれ、消えて行く。



「さすがだねぇ、アーロンちゃん」

「ちゃん付けするな!」



漫才のような会話を交わしながら、二人はブラスカを背で囲む。



「ブラスカ様、下がっていてください!」

軽く呼吸を整えながら、アーロンは再び剣を構えた。

「おいおい、お客さんが増えてっぞ!」

ニヤリと微笑みながらも、ジェクトの構えにも余裕は見られなかった。



確かに、一行の周囲を囲んだ敵は、先程よりも数を増している気がした。



「アーロン、この数は無謀です」

「しかし、切り崩さねば血路は開けません!」

「おうよ、ま、見てなって、ブラスカさんよぉ!」



ジェクトとアーロンは互いを見合わせると、一歩踏み出した。



元々ブラスカとて、ひ弱ではない。

武術もそれなりに学んではいるし、何よりその長けた魔力は、自分の身を守るに余る実力であった。



しかし、間の悪いことと言うべきか、ブラスカはつい先程祈り子との謁見が済んだばかりである。

召喚獣の力を借りる為の、祈り子との謁見に費やす労力は並ではない。



その直後に襲い来る魔物達に、ガード達の緊張感はより一層高まった。



「チッ、一体どっから沸いてきやがる?!」

なぎ払っても、なぎ払っても、襲い来る魔物達。

「無駄口叩く前に、少しでも倒せ!!」

切が無いとは正にこのことであった。



一歩引いた場所でガード達の背中を、暫しブラスカは見守っていた。

だが、その姿が徐々に疲労困憊に侵され始めているのは明らかであった。



「ジェクト、アーロン!!下がってください!」



そう声を上げると、ブラスカは呪を詠唱し始めた。



「ブラスカ様?!」

「なに召喚してやがんだ!!」



この時点でブラスカの召喚を止めることは出来ない。

それを悟ったガード達は、仕方なしにその場を離れた。



特に、アーロンは納得できていないようであったが。





ヴァルファーレが大空から舞い降りる。

ブラスカの元に傅くように着地し、長い雄叫びを一度だけ上げた。



ブラスカの眼差しが、一瞬、鈍く光る。



ブラスカはヴァルファーレの羽根を優しく撫でると、軽くポン、と叩いた。



この瞬間のブラスカに、いつもの穏やかな光は、無い。







その姿を、アーロンは間近で見ながら、息を呑む。





この瞬間のブラスカには、いつも囚われる。







舞い上がったヴァルファーレの攻撃は、周囲の魔物を一気に吹き飛ばした。





「・・・戻れ」

ブラスカの声と共に、大きな翼は再び大空へと昇っていった。







その姿を確認すると、



「ブラスカ様!!」



ブラスカの身体が、ほんの少しぐらつく。



アーロン達は、その場に駆け寄った。



「ブラスカ様、なんて無茶を!!」

ブラスカに肩を貸しながら、アーロンは木陰までブラスカを誘って行く。



「大丈夫ですか?」

腰を下ろしたブラスカの表情を覗き込むように、アーロンはその顔色を伺った。

「・・・あぁ・・ちょっと疲れただけだよ、それより・・・」

ブラスカはアーロンの左肩にそっと手を伸ばした。



「先程、牙が掠っていたね・・・」



肩口に、うっすらと血が滲んでいた。

「・・・いつの間に・・・大丈夫ですから・・」

そう告げるアーロンの言葉を、軽く掌で制すると、

「・・・・・・・」

ブラスカは、再び小さく呪を唱えた。



掌から、包み込むような温かい空気が放たれた。

アーロンの肌から、赤味が消えて行く。



「・・・・・これで、大丈夫ですね」



「あ、ありがとうございます・・・・ブラスカ様・・!」

「あぁ、心配はいらない・・」

目頭を押さえるブラスカを、アーロンは再び支えた。







「・・・・・・・バッッカじゃねーのかぁ?!」



その横でジェクトは仁王立ちになって、思いっきり呟いた。





「・・・やってらんね・・」

「・・・・?・・ジェクト?」

突然のジェクトの言葉に、アーロンは首を傾げる。

「つか、オメェら・・・・バカップルか?」

「・・ば・・かっぷ・・?」

ジェクトの言葉の意味が判らず、アーロンは首を益々傾げる。



ブラスカのこめかみには、一瞬青筋が走った。

意味を理解出来ないなりに、馬鹿にされてることは判ったようである。



その瞬間を見てしまったジェクトは、さすがブラスカ、と思った。



「俺サマぁ、行くぞ!!」



そのままジェクトは踵を返すと、ズカズカと歩いて行く。

「あっ!!こらジェクト!!お前、ブラスカ様を宿まで・・・」

「勝手にやってろや」



ジェクトの背中はどんどん遠ざかっていった。



「こらーーー!ジェクトーーー!!」





その後、明らかに自分よりも背の高いブラスカを運ぶのに、アーロンがどの程度苦労したのかは、

陽がどっぷり暮れてから大量の汗と共に宿に到着したところから想像が出来たのであった。









まぁ、その時間の遅れが、運ぶのに苦労しただけであるのかは、本人達のみが知る処なのであるが。














scince 24 Jun.2002












ゆめさん!!ごめんんさい!
なんだか、特にブラスカ様が
いうことを聞いてくれない・・・

これ、別のパターン書きたいなぁ(苦笑)

 

 

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