ガクエンテンゴク since 31,July.2005    
コチラは某ガクエンBLゲェム『ガクヘヴ』を、管理人が勝手に創作 『しなおし』したものです。
あのゲェム、こんなふーにしたら萌えだなーと、本気で好き勝手にアレンジし、書きなぐったものです。
しかも、途中(爆)
気力がもしございましたら、書くかもしれない。そんな程度に、読み流していただけると、嬉しいです…。
尚、本気でガクヘヴを愛する方は、気分を害するやもしれません。その際は、そっとスルーしてくださいませ。


■ プラチナペーパー ■ 転校しよう?!

「ただいまー」
「おかえりー」
 玄関の扉を開けると、いつも通りのたわいの無い母子の挨拶が交わされる。
「あぁ、啓太!手紙来てるわよ」
 二階に上がりかけた息子に母親はキッチンから声をかけた。
「手紙?」
 階段を引き返すと、啓太は卓上に置かれた白い封筒に手を伸ばした。表には宛先である自分
の住所と名前のみ。紙の素材などに興味のない自分が見ても、一目で判る上質な創りの封書で
あった。
「ねぇ、また何か当たったの?いらなかったら母さんにちょうだいよ!」
「・・・はいはい」
 いるものでも持ってくクセに、と心で呟きながら啓太は封筒を裏面に返す。

「・・・・・ベル・・リバティ・・・・?」

 思わず刻まれたその名が口をつく。
 その名は、啓太でさえ知っている。だが、自分には全く係わりのない世界。
「なぁに?どうしたの、啓太」
 母の言葉が耳に入らないのか、啓太は慌ててその封に手を掛けた。
 自分には係わりのない筈の世界からの、予想しないコンタクト。
 逸る気持ちで乱雑に開けがちになる指先を、必死で理性が留める。軽く深呼吸をすると、思
い切ってゆっくり開封した。

< 伊藤 啓太 殿
 拝啓、貴殿日々益々ご清栄のこととお慶び申し上げ・・・>

『・・・こんな形式ばった挨拶じゃなくて・・・』
 啓太はその目線をどんどん用紙の下へ降ろしてゆく。

 風の噂で聴いたことがあった。ある日突然舞い込む入学許可証・・・『プラチナペーパー』
の噂。

< 貴殿の当学園への入学を承認した旨をお伝えしたく・・・・>

「・・・・母さん・・・母さん!!」
「な、なによ、急に大声上げて?」


 ベルリバティスクール。

 大手製薬会社等、多数の会社を経営している鈴菱グループが、利益の余剰で運営していると
言われている学園。学費一切免除で全寮制という特別待遇の学園は、所謂『一芸に秀でた者』
しか入学を許されない。
 優れた資質も持つ者が、卒業後は鈴菱関連の企業に就職し、実績を上げる事で、言ってしま
えば鈴菱に恩返しをする・・・それは鈴菱に取って大きなメリットに繋がるのだから、学費の
免除は自社への投資と考えているのであろう。
 だが、ここ数年の鈴菱の景気は右肩上がりで、関連企業に就職すれば将来安泰を約束された
ようなもの。学生にとっても得るものは計り知れない。
 そんな状況から、皆この門扉を潜ることを少なからず夢見ているのだ。
 だが、誰もが憧れるベルリバティスクールには入学試験は存在しない。
 『実力を求められた者は、ある日突然、学園からの入学許可証が舞い込む』と専らの噂であ
り、啓太は今回それを身を以って体験した。
 その入学許可証が、輝かしい未来を約束しているも同然の価値を秘めていることから、いつ
しか『プラチナペーパー』と呼ばれるようになっていた。

 啓太はベットに寝転がりながら、一緒に送られてきた学園パンフレットをパラパラと開いた。
難しい言葉や理事の肩書きがツラツラと並べてあり、正直、読む気にはなれない。

 何故、自分にプラチナペーパーが来たのだろう?
 最初は送られてきた嬉しさだけで舞い上がっていた。だが、少し冷静になるとそんな疑問が
頭を駆け巡った。
 成績も並。
 運動神経も並。
 ルックスも、並・・・多分。
 そんな自分が誇れることを、啓太なりに一生懸命考え、出た結果、
「・・・・・運?」
確かに啓太は運だけは強かった。
 なけなしのお小遣いで父に買ってあげた宝くじが1000万円当たったり、落し物で届けたカ
バンが実は100万円入っており、結局持ち主が見付からずに啓太の元にやってきた事もあった。
修学旅行先でも振舞われた食事でクラスメイトは食中毒になってしまったが、たまたま食事を
しなかった啓太だけが被害に遭わなかったりしたこともある。

「・・・・・・運が実力って・・・アリなのかなぁ・・・?」
 在り得ない。
 そんな確証のないものだけで、あのベルリバティスクールが入学を認めるなんて考えられな
かった。折角のパンフレットも私設の写真だけ眺めているだけで、少しも頭に入らない。
 だが、ふと、ある文章が眼に留まった。
「・・・・理事長の、言葉・・・・かぁ・・・」
 たくさん難しいことが書いてある。だが、その一部を啓太は自然に眼で追った。

< ここは、実力を認められた者が入学すると言われているが、そうではない。
 眠っている実力を呼び覚まし、伸ばし、育てる場なのだ。
 もし、自分に自信がなく不安だと感じていたら、この言葉を思い出して欲しい。
 この学園に来た『チャンス』を大いに利用して、本当の自分を見つける。
 ベルリバティは、そんな学園でありたいと私は願う。               
             ベルリバティスクール 理事長      >

 この理事長は、いったいどんな思いで学園を見守っているのだろう?

「・・・・・・・・よし!!」
 啓太はベッドから起き上がると、プラチナペーパーを握り締め、居間にいる筈の両親の元へ
向かった。

『きっと、ここで何か見付かる・・・そんな気がする・・・』


 このたった一枚の封書が、波乱の幕開けであった。








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