眠る森[5]


 私は、セックスをしても勃たなくなっていた。何がきっかけと言われても、正直、思い当たるふしがない。
 初めて会ったというのに、自分と鏡を合わせたように酷似した男に、こんなことをべらべらと喋る自分が、おかしい。心のどこかで自暴自棄になっていたのかもしれなかった。
「私と同じだね」
 思わぬ答えが返ってくる。
「では、教えてあげようか」
 そういう人間だけが行ける、秘密の場所。
 その男の含み笑いが、自分が何か企んでいるように見えて、いやな気分になったのだけれど。



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2005.07.21


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