Rebersible Man 6
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「・・・け、警視正!!」 幸鷹の姿に、周囲を固めていた警備陣がざっと引き、道を作る。 「現場までいらしたんですか?!」 「こちらは危険ですので、パトカーの中に・・・」 ご機嫌取りのように後を付いて回る刑事たちを全く無視したまま、幸鷹はどんどんと足を進めて いった。 「今、どういう状況か教えて欲しい」 最前線に構えていた特攻隊のリーダーに声を掛けると、 「はっ、どうやら白虎はグライダーを使って建物の屋上に着地した模様です!」 「姿は確認したのか?」 「遠目でしたので・・・しかも囮が何個かあったようで、私が聞いただけでも別々の時間に3機確認しております」 その曖昧な答えに、振り返った先に突っ立ている現場のリーダーたる刑事にも声を掛けた。 「侵入の確認は?」 「そ、それが・・・建物の持ち主が警察の警備を拒んでおりまして・・・」 「それは聞いていない、白虎の侵入は確認したのか?」 「は・・・それは・・・丁度その・・・庭の木が死角になっておりまし」 「もういい」 その先の言葉を聞いても無駄だと察し、遮った。 要は、白虎がいつ建物に入ったのか確かな情報はないということだ。 幸鷹は腕時計に目を遣る。自分がここに到着してから5分は経った。いつもの白虎の手口からい けば、10分以内に脱出を図るだろう。 また、逃げられるのか。 「け、警視正?!」 そう思うと、幸鷹は建物の入口に向かい、つかつかと早足で進んでいった。 「この先の敷地は、管理者が警察の侵入を拒んでおりますので・・・」 「判っている」 この建物が、暴力団のものだということも知っている。恐らく、最初に警備を試みた連中がこっぴど く脅されて追い払われたのだろう。 判っていても、これ以上手を拱いているのも我慢が出来ない。とにかく建物の主に話をしてみて、 何とか中に入れてもらえるように説得をしなければと思うのだ。 出来る事を、出来る時にしておかないと、後悔する。 その姿を、ジェイドはずっとファインダー越しに眺めていた。 周囲は警察が厳戒態勢を張り巡らしており、傍に近寄ることは出来なかった。仕方なく、カメラを ケースから取り出し、望遠を取り付け、先程の若者を探したのであった。 何を言っているかまでは、読み取れない。だが、凛とした姿勢で真正面を見据える姿から、妙に目 が離せなくて。 「・・・・・面白い・・・・実に、ね・・・」 思わずシャッターを押してしまいまくなるが、 「それだけは、本人の意思を尊重しなくては、ね・・・」 とボタンから指を外した。 2004.9.27 |
ストーカージェイド(笑)
彼を止めたい・・・(無理)
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